ニュージーランド: ぶどう園をオーガニックにするキャンペーン
ニュージーランドのオーガニックワイン生産者は、2020年までにニュージーランドのぶどう園の20 % をオーガニックにするという大胆な新しい目標を発表した。
「この国のぶどう園のオーガニックおよびバイオダイナミック認証が、2020年までに20%だけ達成されたとしても、それは世界中のワイン通に、我々が環境に配慮しているという貴重なイメージを植えつける大きな一歩となるだろう」と、オーガニックぶどうの栽培とワイン生産を手がけるJames Millton氏は述べた。Millton氏はOrganic Winegrowers New Zealand (オーガニックワイン栽培者ニュージーランド: OWNZ)の会長でもある。OWNZはメンバー数140の全国的な協会で、オーガニックの手法を共有し、促進しようと努める生産者たちが主導している。ニュージーランドのぶどう栽培者とワイン生産者のための全国的な組織であるNew Zealand Winegrowers(ニュージーランドワイン栽培者: NZW)のPhilip Gregan CEOによると、NZWはOWNZの定めた「2020年までに20%」の目標を強く支持するということである。また同氏は「我々は今後10年間のオーガニックの広がりを、持続可能性に対する業界の義務の重要な要素とみなしており、グローバル市場でのブランドポジショニングを強く支えるものだと確信している。」と述べている。(写真: OWNZ会長、James Millton氏)
オーガニック認証を受けたニュージーランドのぶどう園の土地面積は過去3年で3倍に増えた。厳しいワイン業界で差別化を図ろうと奮闘して栽培者が環境の質とワインの質を追求するに伴い、同国のオーガニックワインおよびぶどう産業は軌道に乗ってきた。全国で、115のぶどう園のおよそ1,500ヘクタールのぶどうが現在オーガニック栽培にて管理されており、これは全ぶどう園面積の4.5 %を占める。OWNZとNZWは2010年に「Memorandum of Understanding(覚書)」に署名した。これは、ワイン業界への課税からの資金を基に、教育、研究、マーケティングの取り組みを通して、オーガニック生産を共に推進するためのものである。この覚書によりワイン業界は、オーガニックを長期に渡り公式にサポートする国内で初の業界となった。
今やニュージーランドの大手ワイン会社の多くがオーガニックに転じている。ホークスベイにある国内で最古のワイナリーMission Estateのぶどう栽培家Caine Thompson氏は「ぶどう栽培への自然に根ざした取り組みに魅力を感じています。自然なぶどう栽培は私たちのビジネスの中核です。」と述べている。今季、Mission Estateは3年に渡るリサーチおよび教育プロジェクトで最初の「オーガニック中心のぶどう園」となった。プロジェクトはNZ Wが資金を提供、OWNZが運用し、オーガニックと非オーガニックのぶどう園を隣合わせにして栽培して両者の長所を比較するものである。全国の栽培者が、フィールドディ(ぶどう園見学ツアー)およびウェブサイトでリアルタイムに公開されるこの取り組みの展開を見守っている。(写真: マールボロのSeresin Estateにおける OWNZのフィールドデー。Seresin Estateはオーガニック/バイオダイナミック栽培を実施。現地でコンポストについて学び、大量のコンポストの山を視察する栽培者。)
Organic-Market.infoより
(翻訳:ボランティア 岩見佳子さん)