IMOがオンラインによるGOTSポジティブリストシステムを開始
生態系に配慮した製品・企業の調査・認証を行うスイスの国際機関The Institute for Marketecology (以下、IMO)が、このほど新しくオンライン上でのGOTS(国際オーガニック繊維基準=Grobal Organic Textile Standard) ポジティブリストシステムを開始した。
このシステムは、繊維加工のGOTS認証に必要なIMO承認GOTS認証を受けた繊維製品の全情報を即時に入手する事を可能にするものである。
既に現時点で、1,000種類以上の染料や植物抽出物などの自然染料を含む調合色素や100以上にのぼる供給元の1,500種類以上の繊維助剤が承認されている。今回のシステムについて、IMO スイスのCEOであるPeter Schaumberger博士は「これはオーガニック繊維生産における画期的段階であり、この分野のパイオニアとしてのIMOの役割の重要性を示すものである。」と説明し、「この新システムによって顧客に付加サービスを再度提供できて嬉しい。オンライン上のGOTSポジティブリストシステムはGOTS規格テキスタイル着色剤・補助剤に関する最新の追加事項や変更事項を更新していくことも可能なシステムである」と続けた。
繊維会社は承認された染料や繊維助剤のリストに即時アクセスでき、製品の認定申請に必要な規定や勧告に関する追加情報を入手できる。IMOのテキスタイル部門責任者Mecki Naschke氏は「繊維関連の化学物質の査定には、繊維化学の分野や国内外の化学関連の法律と同様に環境毒物学における非常に特殊で高度な専門知識が求められ、我々は業界でも先駆けてこういった分野の専門家と提携してきた。化学物質投入の適切な査定は、GOTS規格に適合した繊維加工を可能とする重要な鍵である。製造や加工法に改定の必要があったり、ブランドや小売業のイメージを損ないうる最終生産物の残留につながる可能性がある場合、不正確な認証は、染料業者や湿式加工業者、また印刷会社などに不必要な業務を多大に生じさせるだけである。
化学品供給会社は既にGOTS承認申請のため、2010年春よりこのシステムを利用しており、オンラインで評価基準に基づく製造が可能となった。さらに、化学物質投入に関するGOTS基準の要求に適合していることを保証するため、IMOは原料の安全性に関する書類に加え、各社から提出された情報をもとに再点検を行っている。IMOはまた、適切な成分を確認するため独自の研究所による分析の委託権も保有している。
オーガニック繊維原料を使用した製品に関する国際的な認証基準GOTSは、主導的に認証基準を策定した団体の共同的な取り組みによって展開し、世界的に認定されるオーガニックテキスタイルの条件を明確にする事を目的としている。その規定は、加工前の原料の収穫や環境に配慮した社会的責任に準じる製造方法から、消費者にその製品の信用性を保証するための表示方法にまで厳しく基準が設けられている。2009年度は、世界の約55カ国1,500社の施設の合計2,811ヶ所にてオーガニック衣料・テキスタイルの基準が認定された。これは2008年度に比べて40%増加の数値である。GOTS認証基準は2006年に承認された。
参照URL:IMO, GOTS
Organic-Market.infoより
(翻訳:ボランティア 福永美奈子さん)