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ブラジル国内のオーガニック分野の展望

記:Karin Heinze
オーガニック生産に関する法律の立案は、これから数年の間にブラジルのオーガニック市場を確固たるものにし、強化するために非常に重要なステップである。2007年12月27日には、法令第6323号が成立した。また、2009年の末には、適正措置が実施される。これらの法令は、オーガニック商品の生産、輸送、販売、在庫保管の全てのプロセスにおいて必要とされているものだ。


「ブラジルのオーガニック市場の発展はこれまでも健全なものであったが、新しい法律が施行されればもっと成長するだろう」とPlaneta OrganicoのAlcaro Werneck氏は述べている。Planeta Organicoはブラジルのオーガニックビジネスの中心的な存在の組織で、今年の10月末に、サンパウロで開催されるオーガニック商品展BioFach南米版の共催団体だ。「現在のブラジルのオーガニック市場で最も困難な点は、国内の市場の需要に適応することだ。オーガニック商品を売り出すことは市場の発展にとって不可欠であり、関心を持つ消費者の数も増加している。この分野の商品を成功させるには、販売網の確立、配送の問題を解決する事に加えて、大規模な生産を行い、他の商品との価格競争に耐えうる商品を実現する事が必要である。」と、同氏は続けて述べている。
(写真:オーガニック食品を販売している小売店)
しかし、ブラジル政府はオーガニック市場の発展を援助する方針だ。2008年の1月には、農業・家畜基本法を施行し、10億レアル(当時のレートで6億3930万USドル=約578億6300万円)分の予算を、農務省の奨励する持続可能プログラムに賛同する農家に配分する事を決定した。これは、国内の農業の持続可能性を向上させることと、天然資源を大切にするアグリビジネスを広めることを目的としている、とオンライン雑誌のbrazzimag.comは述べている。2007年に法令第6323号が成立し、ブラジルのオーガニック分野は飛躍的に前進した。また、緑肥に使用するマメ科植物のシードバンクを作ったことも大きな一歩である。2007年に設立されたこの施設では、既に16トンもの種を生産している。
ブラジル農務省の農業環境面での運営コーディネーターTereza Cristina Saminêz氏は、オーガニック認証を示す新ラベルが付いた商品が間もなくスーパーの棚に並ぶようになるだろうと述べている。来月には、政府認証のオーガニックラベルの使用が開始されるのだ。Saminêz氏は、オーガニック市場はブラジル経済の成長、特に社会的側面と環境的側面において大切なものであると強調している。2007年12月に施行された、オーガニック商品に関する法令によると、生産者には2009年の12月28日までこのシステムに適応する猶予が与えられている。つまり2年間の猶予があったわけだ。
(写真:ナチュラルスーパーマーケットのチェーンのMundo Verdeの店舗)
オーガニックの国家プロジェクトの最も大きいものは、オーガニックブラジルと呼ばれ、ブラジル国内のオーガニック分野に関わる団体の連合体となっている。2008年には、64のメンバー企業の輸出は、BioFach Nurnberg(ドイツ)、BioFach America(米国)、そしてBioFach Japan(日本)とそれぞれの国際展示会に参加しただけでも5800万USドル(約52億4960万円)となった。
(写真:ブラジルのオーガニックロゴ)
ブラジルのオーガニック農業は顕著に成長している。2001年にはブラジル国内のオーガニック認証を受けた農地は2億7,500万ヘクタールだったが、2006年には8億4,200万ヘクタールにまで増加している。2007年に面積が大幅に増加したというデータもある。2007年11月にはオーガニックブラジルは輸出が認められている認証機関と連携し、農地調査を実施した。932,120ヘクタールの土地はオーガニック認証に適合しており、それに加え、7,114,300ヘクタールが「extrativismo(森林から得ることができる木製品ならびに非木製品)」に適合した土地である。
Organic-Market.Infoより
http://www.organic-market.info/

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