米国:オーガニック調査、教育ほか190億ドルの補助金
アメリカ農務長官代理のKathleen Merrigan氏は、重要なオーガニック農業問題を解決するため、調査と教育とそこから発展したプロジェクトの統合を通じて、190億ドル(約1兆6879億6000万円)以上の補助金がアメリカ国内の大学に与えられたと発表した。
オーガニック農業は、米国農業において、もっとも急速に発展している分野の1つで、同農務省と議会は、2008年農業議案を通じて、この分野が成功するよう支援するという合意を得た。そのために、重要なオーガニック農業問題を解決するための調査と教育とそこから発展したプロジェクトの統合に取り組む、とMerrigan氏は述べている。
さらに、「これらの補助金は、アメリカ農務省の新しい取り組み“あなたの生産者を知ろう、あなたの食べ物を知ろう(Know Your Farmer, Know Your Food)”の重要なパートであり、地方や地域の食のシステムの発展を助け、オーガニック生産者を新たな生産と高まる消費者の需要に見合ったマーケティングで支援することによって経済的機会に拍車をかけることになるだろう。」と加えた。
2009年9月に発足した、“あなたの生産者を知ろう、あなたの食べ物を知ろう”運動では、根本的かつ重要な、生産者と消費者の再結束という点が強調されている。
“あなたの生産者を知ろう、あなたの食べ物を知ろう”運動は、例えば、地方の農家や食品団体のサポートや田舎の共同体の支援、ダイレクトマーケィングと農家のプロモーション計画の増強、健康的な食の促進、天然資源の保護、学校の地元農産物との結びつきの支援など、主だった農業のトピックを含む。
アメリカ合衆国における生産者は、投資コストを抑え、再生不可能な資源への依存を減らし、高付加価値市場と高価格帯を獲得して農業収入を押し上げる可能性の高い手段として、認証を受けたオーガニック農業システムに転じている。
アメリカ農務省の調査は、生態系への負の影響を減らし、かつアメリカの農家の競争力を維持するために、オーガニック農業も含む農業と林業の“持続可能な実践の発展”を支える科学にますます焦点を当てている。
1990年代後半からアメリカにおけるオーガニック生産は2倍以上になり、消費者市場はそれを上回る勢いで成長した。2008年、オーガニック食品の販売は、36億ドルから246億ドル(円換算)と 5倍以上伸張した。アメリカの3分の2以上の消費者が少なくとも時々オーガニック製品を購入し、28%の消費者は週に一度はオーガニック製品を買っている。
出典:アメリカ農務省(USDA)
Organic-Market.Infoより
http://www.organic-market.info/
(翻訳:ボランティア 殿村江美さん)