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英国ソイルアソシエーション:2008年オーガニックレポート

ソイルアソシエーションが発表したレポート「The Soil Association’s Organic Market Report 2009」によると、英国のオーガニック製品の売上は、複雑な情況を呈している。経済不況により、消費者は財布の紐を固くしているが、オーガニック食品の売上はすべての分野で好調を示してきた。


2008年度イギリスのオーガニック製品の売上は、21億ポンド(約3120億円)で、1.7%の増加であった。しかし、この統計結果は、取引量が増えたのではなく、全般的に食料品の価格が高騰したことが背景にある。同レポートによれば、果物・パン類・ソフトドリンク・惣菜類を含む一部の製品では、急激な売上の減少が起こっているものの、これらの製品部門においても景気後退のトレンドに逆らっているブランドもある。相反して、ファーマーズマーケットでの、オーガニック食品の売上は急激に増加しており、昨年は概算で、18.6%増加の2370万ポンド(約35億円)であった。
Asda(英国の大手スーパーマーケット)の場合、2008年は多くの店舗でオーガニック製品が最大の成長を遂げ、その売上は25%増加し、市場シェアも8%からおよそ10%程度にまで伸びた。Tesco(同じく英国の大手スーパーマーケット)は、2008年はオーガニック製品の売上が9.9%下落したものの、依然として業界最大手である。繊維や美容・健康関連製品などマーケット規模の小さいオーガニック製品も、かなりの成長を遂げている。同レポートによれば、一般の消費者と同じように、オーガニック製品の消費者も高級な製品や調理済み食品を避け、より安い小売店へ流れて来ている。無駄を失くし、自炊する傾向もまた見られる。2008年、オーガニックの調理済み食料品の売上が急速に減ったのに対し、料理の材料となるオーガニック食料品の売上は、驚くべきことに13.5%も増加した。
レポートによれば、節約はするものの、自分たちのオーガニックに対するこだわりを守り続けようとするコアなオーガニック製品の消費者が存在する。そのようなオーガニック製品に強くこだわっている消費者のうち36%が、2009年にはより多くのオーガニック食品を購入するつもりだと回答した一方、オーガニック食品の購入を減らすと回答したのは、15%だけであった。2008年は動物福祉の問題も注目を浴び、オーガニックミルク10.6%、チーズ11.5%、肉類(牛・豚・羊など)13.3%、家禽の肉は17.7%と、それぞれ売上が増加し、倫理的な意義を大切にする消費者の間で、動物福祉の観点から見たオーガニック製品の利点がしっかりと理解されていることを示しているようだ。

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